糖度の低いメルローを3人で収穫しました

Yちゃんとkさんと3人で、メルローを10コンテナほど収穫した。

北荒木のメルローは接ぎ木の2年目で、まだ半分が糖度が15度を下回っています。

このままほっておくと木の樹勢に影響します。

まともな実を収穫する場合は小粒、カラー、腐食の実を選別しなければなりませんが、

腐食だけの実を落とせばよいから、Yちゃんはもう何回も経験しているので、どんどん張り切って収穫した。

Kさんは干しブドウになってしまった実を専門に落としたので、効率が良く彼も張り切ってやった。

それぞれ彼らは特性があるので仕事のやり方を選別してやってもらうことが大切のようだ。

7月から長期の夏休みのA君1

小柄でゲームが大好きなA君は25歳の青年です。市から頼まれ、もう我園に通って3年経ちました。

「週5日間働けるよう体力をつけて自分の好きなことを見つけなさい。そしたら卒業だよ」と教えて始まりました。

当初はか細い声で話もあまりしなかった。しかし3か月間の試用期間が済んだ頃、お父さんが訪ねて来られました。

「どんな教育をしていただいたのですか?」

「私が彼に云ったのは、嫌いなことと好きなことを自分で探しなさい。興味がわくことが見つかったら、どうしてなのか観察しなさいだけです」

「息子が随分変わったのです。朝、我々に挨拶をして一緒に朝ご飯を食べるようになったのです」たしかに彼はどんどん変わってきました。

年上のおじさんたちと話も始めました。私と指導員にも自分からいろいろ話しかけて来るようになりました。そして将来イチゴ栽培をしたいのでイチゴを育ててみたいと云ってきました。

何か責任を持たせるために、すべて任せてやらせようと指導員H君と決め、彼のために畝を決めてやりました。そしてマルチを自分で貼り、イチゴの苗を買ってやり任せました。

しかし1ケ月待たずにイチゴは枯れてしまいました。

「なぜ枯れたのか分かったか?」

「いや、分かりません」

「イチゴが泣いているよ!イチゴは定着するまで水を1週間に2回は最低かけてやらないと枯れるよ!」このころは園には1週間に2回通ってきていました。

畑が分散しているので常時同じ畑の作業ではないので無理もないところがありました。

「言ってくれれば畑に回ったのに…」指導員のH君は言いました。

自分の責任だというのを、もう少しきつく言えばよかったかもしれません。しかし20歳を超えた大人ですが、精神的には子供です。

気づくまで待ってやるつもりだったのでこれ以上は言いませんでした。

彼を見ていると、休憩時間はスマホのゲームをやって自分の世界に閉じ籠っていて他人の思惑には気づきません。

毎週ゲーム仲間と組んでスマホゲームをやっていて、徹夜をすることが多いと云います。

他の仲間も仕事して稼ぎながらのようです。A君は親からもらう小遣いでやっているようです。

この時は成長の過程だと、もう少し長い目で見守ろうと思いました。

65歳になったKちゃんの得意技

Kちゃんは小柄でいつもニコニコして話しかけてきます。

「内藤さん!昨日あそこの草を刈っておいたよ!」

「見たよ。奇麗になって片付いていたよ。ありがとうよKさん」

満面の笑顔で答えてくれた。いろいろな性格の人がいるが、丁寧に雑草を片付ける名人である。

最近は目と耳が悪くなって、早くこの仕事は辞めたいと云っている。

今年はワイン用のブドウの収穫に挑戦してもらった。

小粒は我々夫婦で2ケ月掛かって取り除いたので、軸枯れをして実が腐ったのを取り除くだけだ。

Kさんは目が悪いのでその部分を除いた黄色のテープで記した場所だけを収穫してもらった。

それでも部分的に腐食がある房もある。もう1回チェックがいる。Kさんは今年から収穫作業ができたので、褒めてあげたら大変喜んでいた。

Yちゃん同様に人並みの事が出来て、自信をつけたようだ。

いろいろ家庭事情を聴いてみると、両親は亡くなっていて故郷には兄しかいない。

お盆の休みも帰郷したが、今まで浜田駅まで迎えに来ていた兄も今年は来なかったようだ。

タクシー代が偉く高かったと嘆いていた。

彼らの大半が年齢が高くなっていて、当然身内も亡くなっている。兄の家族は関西で生活していて、田舎に兄一人暮らしのようだ。

親が作っていた田を一人で耕作している。Kさんが帰ると労働力と現金を当てにしているようだ。

「兄さんが、法事の金を出してくれと言ってお金がかかってしようがない」

「Kさんも一緒にお酒を飲むんだろう?」

「ビールを飲むが、兄さんのほうが強い」

「なんだかんだでお金がかかる」

どうやら、現金収入のない兄貴はKさんが帰ってきて来るのを当てにしているようだ。

そこまで気が回らないKさんは将来が見通せていないようだ。

Yちゃんの夏休み

60歳前のYちゃんは島根県西部の山間の町の出身だ。お盆休みが待ち遠しく、私たちにあと何日したらお盆に帰るのだと話してくれる。

「どうやって帰るの?」妻が聞くと

「車で迎えに来てくれる!」と喜びいっぱいの顔で答えた。

「誰が迎えに来てくれるの?」

「甥と家族と一緒に車に乗って帰るんだ」歯が抜けた顔面は喜びを隠せない。

彼は何か仕事を頼むと「あいよ!」と大きな声で快く引き受けてくれる。

今ブドウの収穫で午前中いっぱい働いているが、午後14時までに出荷しなければならない、間に合わないときがある。

でも「少し食事を遅らしてね!」と云うと、いつものように「あいよ!」と快く引き受けてくれる。

ブドウを入れるコンテナがいっぱいになるころを気にしていて、頼みもしないのに次のコンテナを持ってきてくれる気遣いができる。

本当にありがたく、障害者でもこんな気遣いができるんだと感心してしまう。

もう一人のKちゃんが病院の検診で休んだので、今日は彼一人しか来ないから私と二人で13時まで頑張った。

次の作業場所まで移動する途中でコンビニへ寄って、彼の好物のアイスクリームを買った。

私は病気の治療があるので食べられないが、もちろんバックミラーには彼の満面の笑顔が見えた。

島根定住財団から畑のRegaloを見学に来園されました

どんな人たちがどんな働きをしているかリサーチがありました。

今日はお盆休みに甥が迎えに来てくれると楽しみにしているYさんと一緒に写真を撮りました。

彼はいつも何か仕事を頼むと「あいよ!」と心地よい返事をしてすぐ行動してくれます。

(写真は指導員のH君がぶどうの手入れしているところを財団の人が写真に撮っているところです)

菱根西のビジュノアールは順調に成長しています

ファームの南側のビジュノアールは軸枯れも少なく玉太りして15~18度と上がってきました。

中通りと北通は気温40度を超えて、軸枯れが出ています。

風の通りの良い西側は気温もそう高く上がっていないので順調です。

中通りと北通は散水の効果が少ないのか、地下水位が高いせいなのか、葉の成長が悪い気がします。

来年は発芽から新梢の成長までの窒素肥料を増量して施肥することと散水を毎日して観察しようと思っています。

北荒木ファームのビジュノアールがヴェレーゾン期に入りました

ビジュノアール23本の糖度測定をしました。

糖度の低い木2本ほどは13度~15度でしたが、

残りは15度から19度ありました。

お盆明けには収穫ができると思っております。

去年はスプリンクラーで散水していましたが、近隣から音のクレームがあり散水ができませんでした。

今年は穴あきホースで毎日気を使って散水したら、玉太りもよく成長しています。

収穫時期がずれるメルローも今年は糖度が上がり15度ありました。